普段、あまり意識することのない「呼吸」ですが、いま呼吸について訴えられる方がとても多いです。
胸が痞えてしまって、空気が入らない
あくびをしないと深く息が入らない
そのような方の前にお腹の様子を診ると、肋骨のきわが硬くなっていて、呼吸に重要な横隔膜の緊張がある様子がわかります。
そうすると、今度は肩や首の筋肉を使って呼吸しようとするので、肩こりや首こりといった、辛い症状の連鎖となってしまいます。
特に胸鎖乳突筋という横を向いたときに浮かび上がってくる首の筋肉は、
自律神経に関係する筋肉なので、ここが硬くなると頭痛や耳鳴りなど自律神経系の問題が起こりやすくなる。
また、肩甲骨の間が凝って息が詰まるという方は、背骨や肋骨周囲にをよく見ると、細い糸のような血管が浮き出ていることがあります。
これは、肺は酸素を供給する場所なのに、肺そのものも血流が悪く酸素が行き渡らないサインで、それによってますます状態を悪化させてしまうのです。
潜在意識と感情の干渉が身体を弱らせていく
東洋医学では、肺は「悲しみ」の感情波動と共鳴すると捉えますので、悲しい気持ちを抱え続けていると、徐々に肺を痛めてしまうといえるでしょう。
また、自分の意志を表現することへの苦手意識から、自分を酷使する傾向があったり、息をひそめる状況に置かれていたり、息が詰まる人間関係に悩んでいる・・・
といったことでも肺は弱っていきます。
こうして、『感情が肺に影響する』ことでも呼吸がしづらくなってしまうのです。
ここ数年マスクを強要されることが多い生活だったために、物理的に酸欠になりやすく息苦しいこともありますが、
コロナ禍の複雑な生活様式や、ウイルスやワクチンに対する認識の違いによる人間関係の変化、感染について神経を使うなど、息苦しい精神的な負担は確かにありました。
まずは、それらを身体のほうから改善するために、呼吸法を行うこともよいでしょう。
ヨガの呼吸法「プラーマーヤーマ」
ヨガではプラーナーヤーマといって、呼吸で心身をコントロールする方法として呼吸法を大切にしています。
ナディ・ショーダナは、片方の鼻ずつ呼吸をする方法で、
片方の鼻を押さえながら、反対の鼻でゆっくり吸って
今度はもう片方の鼻を押さえて、反対の鼻からゆっくり吐く
これを繰り返す呼吸法。
右鼻からの呼吸は交感神経、左鼻からの呼吸は副交感神経のそれぞれを刺激するため、呼吸をすることによって自律神経に働きかけ、感情も静まっていきます。
それでも症状が気になるのなら、とっておきの処置があります。
それが『吸い玉カッピング+刺絡治療』です。
吸い玉カッピングと特殊な鍼治療(刺絡治療)の組み合わせは、
古い血液を取り去って新鮮な血液とともに酸素を送り込むための施術です。
吸い玉カッピング刺絡治療を行うと、ふーっと呼吸が深くなり、胸が広がる感覚を感じて頂けることでしょう。
乱れた呼吸を根底から整える身体への施しです。